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箸の使い方、料理の食べ方など確実におさえておきたい和食マナー

お料理は肩肘張らずに召し上がっていただきたいという向きがある一方で、最低限のマナーを心得ておかなければならない場面は多々存在します。とりわけ、会食や接待を伴うビジネスシーンにおいては、常識として問われるところです。

そうしたなかで、今回は和食のマナーを取り上げます。
耽美で甘美な日本文化の真骨頂。その礼儀作法は、学んでおいて損はないと考えます。料理が舌をうならせるように、美しい振る舞いもまた周りを感心させるものです。

その滋味深さ、ぜひ体得してください。

和食の種類

和食の種類は、大きく3つに分けられます。
日本料理の原型ともいわれる伝統的な「本膳料理」、茶会の席で出される「懐石料理(茶懐石)」、酒宴向きの食事会(宴会)でお馴染みの「会席料理」です。

現在は、会席料理が和食の主流とされています。典型的な例を挙げると、料亭や旅館で供されるあの逸品群です。お酒に合う品々が揃います。
前菜、煮物、刺身、焼き物と続き、最後にご飯やお汁が用意されているのが一般的な構成です。

おしぼりの使い方

おしぼりに関するマナーでまず知っておきたいポイントは、手以外の部位を拭いてはいけないということです。顔や体(手以外)はもちろん、食事中に口を拭くことがあってもいけません。また、テーブルの汚れも同様です。台を拭く布巾代わりに使うのはご法度だと認識しましょう。

おしぼりは、右手で取り、左手に持ち替え、丁寧に開いて両手を拭くためのものです。
元の位置に戻すときも、拭いた部分を内側にしてたたむのがマナーだということを知っておいてください。

懐紙(かいし)って何?

繰り返しますが、口元や箸先、テーブルの汚れを拭くときに、おしぼりを使ってはいけません。
この場合、用いるのは懐紙(かいし)にしましょう。和食の席では、大抵お手元に用意されています。

懐のポケットに入る程度のサイズのこの和紙は、昔から重用されています。
今もなお、受け皿として添えたり、口から出す小骨や種を隠したり、コースター代わりになったりと非常に便利です。

箸の使い方

和食マナーのなかでも箸の使い方は特に重視されているといっても過言ではないでしょう。正しく扱わなければ、会食相手を不快にさせてしまう恐れさえあります。
以下、具体的な作法です。

箸の取り上げ方、持ち方

右利きの方向けにお伝えします。
まずは、取り上げ方です。
右手で箸の中央辺りを持つようにしてください。
下から支えるように左手を使い、右手は横に滑らせ箸の下へと移動します。
右手のひらを返し、箸の1/3の箇所辺りに指先を置き、左手を外せば、後は正しく持つだけです。
その持ち方ですが、上の箸は、人差し指と中指で上下に動かせるようにします。その際、親指は添える形です。
下の箸は、薬指の先端と親指の付け根に置きます。そうやって固定させてください。
食べ物を挟むときに動かすのは上の箸のみです。

また、お椀を持ったときの箸の取り上げ方にも正しい作法が存在します。
はじめにお椀を両手で取り上げ、左手に乗せます。
次に右手で箸を取り上げるのですが、このとき左手の指で先端の方を挟むのがポイントです。
そして、右手を返し、正しく持ちます。同時に左手は離してください。

箸の使い方でやってはいけないこと

再度お伝えしますが、和食のマナーにおいて箸の使い方は特に厳しいといえます。
以下、紹介するものはいずれもタブーであるということを確実に知っておいてください。

・箸をひっくり返して持ち手の方で料理を取る「返し箸」
・料理に箸を突き刺して食べる「刺し箸」
・箸を使って器を自分の方へ寄せる「寄せ箸」
・皿の上でどの料理を食べようか迷う「迷い箸」
・同じ料理を複数の箸で持つ「移し箸」
・お汁やご飯にいかず、ひたすら料理だけを食べ続ける「移り箸」
・器の中で食べたいものを探るように混ぜる「探り箸」
・箸置きの代わりに、小皿や小鉢の上に箸を置く「渡し箸」
・箸を握りしめて持つ「握り箸」
・料理の汁を垂らしながら口へ運ぶ「涙箸」
・箸先を口に入れて舐める「ねぶり箸」
・箸についた米粒などの食べ物を口でもぎ取る「もぎ箸」

食べ方のマナー

先述した通り現在の和食の主流、会席料理では、供される順番も含めてその様式美は格別なものです。相応するマナーがあるのも然るべきことでしょう。
たとえば、運ばれる料理の箸のつけ方。
食べ切らない状態で、次の料理が出されたとしても、まずは運ばれてきた料理に一度箸をつけてから、残っている料理をいただくようにしてください。

そして各品にれっきとした食べ方の作法、いうなればルールがあるのもおさえておきたいところです。
以下、ご紹介します。

先付け(前菜)

平皿は置いたまま、お椀や小鉢は持ち上げていただきます。
串料理の串は箸で押さえながら引き抜きましょう。その串は皿の向こう側へ置くようにしてください。

吸い物

蓋つきのお椀は目上の人が蓋を取ってから(自分のお椀の蓋は)取るようにしてください。
食べ終えたら、蓋は元通りにかぶせます。

向付け(お造り)

盛り付けを崩さないことがポイントです。
基本、手前に白身の魚、中に貝、奥に脂身のある魚が配置されます。
左手前、右手前、中央、奥の順にいただくようにしてください。

焼き物

たとえば焼き魚。
左頭側から箸をつけて、尾に向かって上身から食べていくのがセオリーです。
上身を食べ終えたら左手で魚の頭を押さえ、骨と身の間に箸を入れて骨を外しましょう。
外した骨は皿の向こう側へ置き、下身をいただくようにしてください。切り身も同様に左から食べるのが鉄則です。
なお、殻付きの海老や尾頭付きの魚、貝料理などは手を使って食べても問題ありません。

煮物

一般的に蓋つきのお茶碗で供されることが多いでしょう。
小さい器なら手で持ち、大きい器なら膳に置いたまま、懐紙か蓋で煮汁を受けながらいただくのが美しい食べ方とされます。

揚げ物

やはりここでも盛り付けを崩さないことが大事です。
天つゆの器を手に持って口に運べば、つゆが垂れずにいただけるでしょう。

蒸し物

たとえば、茶碗蒸し。
蓋を開ける際は内側で水気を切りましょう。食べるときは手前から掬うようにしてください。

酢の物

酢の物は汁気が多いため、器を持っていただくとよいでしょう。

ご飯、止め椀(汁物)、香の物(漬物)

こちらの料理が運ばれてくるということは、コースの終盤(締め)を意味します。
一旦、お酒は切り上げて、温かいうちにいただくようにしましょう。

水菓子・甘味(デザート)

切り目が入っている果物は右側から食べるようにしてください。
また、抹茶と和菓子が出された場合、いただくのは後者が先です。

和食文化は美しい!

大人になれば必要とされる場面が増えてくるとはいえ、和食に関する正しいマナーを知らない方は、一定数いらっしゃいます。
学べば学ぶほどその繊細さ、魅力に気付けるはずです。
和食文化は美しいということを今一度噛み締め、ぜひともマナーをしっかり身に付けるようにしましょう。

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