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贈り物のマナーについて、イベント・シチュエーション別に解説

贈り物のマナーについて、イベント・シチュエーション別に解説

贈り物をする場合、マナーはしっかりおさえておきたいところです。

各シーンに応じた適切な作法を心得ておけば、お相手はもちろん、周囲に対しても困惑させることなく、想いをしっかり伝えられるでしょう。

当然、贈る側としても不安に駆られず、快く渡せる(届けられる)はずです。

今回の記事では、主なイベントやシチュエーションをいくつか取り上げ、それぞれに適した贈り物のマナーを解説します。

贈り物に関することで悩まれている方はぜひ、参考にしてみてください。

内祝いのマナー

幸せのお裾分けの意味がある内祝い。結婚や出産、子どもの進学、新築・引っ越しなどさまざまな種類があります。その分、心配事もよく見聞きするとはいえ、お世話になっている方々に対しては折に触れて贈り物を届けたいものです。

そうした中、共通する悩みを挙げるなら、まずは郵送問題でしょうか。失礼にあたるか否か気になる方は少なくないようですが、結論、問題ありません。むしろ、遠方からはるばるやって来られては逆に相手を恐縮させてしまうかもしれません。それゆえ、手渡しにこだわる必要はないと考えます。

もちろん、タイミングは大事です。式を挙げなかった、もしくは招待しなかった方に向けての結婚内祝いの場合、入籍や結婚式から1ヶ月経った後に贈るのが一般的だと思ってください。そのほか、進学は1ヶ月以内、出産は生後1ヶ月から2ヶ月、新築・引っ越し祝いもお住まいになってから1ヶ月から2ヶ月のあいだが妥当でしょう。

費用の目安についてですが、結婚式に招待できなかった方からのお祝いには、その半分の額をお返しするのが通例です。

また、出産に対しても同様に半額が目安と考えていいでしょう。その際、気を付けてほしいのが差出人の名前です。配送伝票には両親の連名を記載したうえで、出産祝い用の熨斗(のし)紙には生まれてきた赤ちゃんの名前を書くようにしましょう。

新築内祝いも半額程度が目安です。一方で、贈り物にこだわらずとも、新居にお招きし、おもてなしを施すこともまた、マナーに則ったお返しの一つといえます。

香典返しのマナー

香展返しとは、お通夜やご葬儀で故人にお供えいただいた金品へのお返しを指します。弔事を滞りなく終えたことを伝えると同時に、お悔やみいただいた方々に対する御礼として贈るものです。

当日返しもありますが、大抵は忌明けの時期に贈ります。宗派によって異なりますが、大体1ヶ月から2ヶ月後です。

品物の金額については、内祝いと同じく半額程度が目安とされます。会社の経費ではない個人からの私的な香典は、上司や取引先であっても弔問客同様にお返しするのが常識です。加えて、仕事上のパートナーである彼・彼女らには、休暇明けの出社時にもきちんと差し入れを渡せるようにしましょう。

注意点としては、あくまで忌事であるということ。そのため、慶事のように熨斗(のし)を添えてはいけません。水引だけが印刷された掛け紙を使ってください。

目上の人へギフトを贈る際のマナー

さて、ここからはお返しではなく、当方が先に贈る場合です。本章では、上司・先輩への昇進祝い、還暦祝いなどでギフトを贈るときのマナーを紹介します。

はじめに最低限のリサーチは行っておきたいものです。お相手が興味・関心のあるものは何か。趣味・趣向をご存じなければ、負担を掛けない程度で共通の知人に相談を持ち掛けてもいいでしょう。苦手なものを把握することも含めて、情報収集は不可欠です。

そして、気を付けなければならない点。まず、量より質重視で選ぶようにしましょう。ただ多くては持て余してしまう可能性があります。喜ばれるためには質が大事です。そうはいってもやはり、値段が高すぎるのは躊躇すると思います。相手への(お返し時の)プレッシャーにもなりかねません。この辺りは、バランスをとれるよう慎重に進めていくことが必要です。

同時に、避けるべき贈り物も知っておくべきでしょう。
たとえば、靴やスリッパといった履物は立場上、失礼にあたります。というのは、お相手を踏み台にするという意味に捉えられないからです。
そのほか、「仕事に精を出すように」の文房具類、「もっと気を引き締めよう」のベルト関連、「顔を洗って出直そう」の洗面道具…などなど、目下から目上への贈り物としてふさわしくない解釈が含まれる品は意外と少なくありません。あらかじめ注意し、避けるようにしましょう。

縁起が悪いとされるものも、同様に避けたほうがベターです。
結婚のお祝いだと、刃物は(縁を)切ることへの印象を与えがちです。引っ越し祝いでは、キャンドルやライターなど火事を連想させるものがタブー。お見舞いの場合、鉢植えの花が病気やケガを根付かせるという風に受け取られる恐れがあります。

もちろん、お相手からの要望があれば、上述した品々でも特に問題はないと考えますが、その場合もあくまで届けたいのはお祝いの気持ちであることを、他意は含まない旨とともにしっかり伝えられるのが望ましいです。

喪中でも贈っていいもの

喪中であれば、贈り物はすべて避けるべきと考える方が時々見受けられます。しかし、実際はマナー上そうしたことはありません。

たとえば、お中元。あくまで季節のご挨拶であってお祝いではないという定義のもと、贈っても問題はないのです。ただし、どのように贈るかは気を配りたいところ。原則、時期は忌中を過ぎてから、熨斗は無地にしましょう。

また、喪中であることをご存知の方に対してはあらためて会葬やお供えのお礼を挨拶状に含めてもいいでしょう。他方、知らなかった方には、喪中である旨をそれとはなしにご報告する形で一文添えてみてはいかがでしょうか。なお、贈るお相手が喪中であっても同様です。配慮前提で、お中元のやりとりは続けても構いません。

なお、新年の挨拶はお祝いにあたるとされます。当然、結婚式もおめでたい催しです。近年は「忌中以降であればOK!」といった細かな条件付きで許容される風潮こそありますが、喪中時にこれらを祝い、贈り物をすることは避けるのが無難だと考えます。

マナーをおさえたうえで心を込めた贈り物をしよう!

贈り物をする行為自体は、非常に素敵なことだと思います。だからこそ、知識不足が仇になってはいけません。

しっかり基本マナーをおさえ、いたるシーンで気持ちのいいつながりが構築されることを望みます。

本記事で触れたイベント、シチュエーションに当事者として向き合う際は、どうぞご留意ください。

大切な贈り物心を込めて包装します