不動産相続は、
「先を見据える」ことが重要
相続のなかでも、不動産の絡む相続はとりわけトラブルに発展しやすいことで知られています。その理由として、分割が難しいこと、「家」に対するそれぞれの思い入れが異なることなど、制度面・感情面の問題が挙げられます。当人同士では解決の難しい不動産問題ですが、専門家が状況を整理することで、それぞれが納得できる方策が見えてくることも多々あります。大切なのは、客観的な目線から「その先の数十年」までを見据えてプランを考えていくことです。ここでは、不動産相続において気をつけておきたい基本的なポイントをご紹介します。
-
Point.01 まずは不動産の価値を正確に把握
どのような対応をしていくにせよ、不動産の価値を把握しておくことが、スムーズな解決の大前提です。路線価などでざっくりとした価値は知っていても、実際の立地条件や地盤の状態などにより、少なからず価格は上下します。しっかり価値を知っておかなくては、遺産分割が済んだ後に「こんなはずではなかった」という事態にもなりかねません。
活用方法を適切に選ぶためにも、また後々まで親族間の禍根を残さないためにも、不動産鑑定士などによる正確な評価が重要です。 -
Point.02 シミュレーションはさまざまな角度から
その不動産について考えられる選択肢を事前に整理しておくことで、遺産分割協議における混乱を避けることができます。「売却したらいくらになるか」ということは当然ですが、「どんな建物が建てられるか」「貸し出すとしたら、どのくらいの家賃が妥当か」「利回りはどのくらいか」「税金はどのくらいかかるか」など、あらゆる観点からシミュレーションを行うことが望ましいでしょう。
-
Point.03 売却が難しい物件は相続放棄も視野に
地方の山林など、売却や活用が難しい不動産だけが遺産として残されている場合は、相続放棄も検討しましょう。いつまでも買い手が付かず、延々と固定資産税を払い続けることは避けたいものです。
ただし、相続放棄はすべての遺産に対する権利を手放す手続きです。「この財産はいらない」というように、選択することはできませんので注意しましょう。 -
Point.04 共同名義は避けるべき
平等な形にこだわって、相続した不動産を兄弟の共同名義とするケースも見られますが、基本的には避けた方がよいでしょう。その時には公平に見えても、管理における負担のバランスなど、後々までトラブルなく維持していくことは難しいものです。遺産が不動産の形でしか残されていなくても、相続するのは一人とし、代償分割などの形で埋め合わせることがベターです。
-
Point.05 多分野に通じた総合窓口への相談を
不動産のうちに隠れている、「今後数十年にわたる価値」を客観的に評価するためには、特定の分野の専門家だけでは十分ではありません。エリア特性や今後の開発予定、金利や税金、法制度など、多角的な視点が必要となるのです。当事務所は不動産業界をはじめ、弁護士や司法書士といった各専門家と幅広いネットワークを有しています。
他業種にわたる問題を、一つの窓口で対応できるよう、当事務所は相続の専門家として隙のないサポートを提供いたします。