生前対策
賃貸物件の購入による節税
賃貸物件の相続時における評価額は、現金よりも大幅に低く見積もられるため、節税対策として非常に有効です。
CASE STUDY 実際の事例
85歳のH様は数年前旦那様に先立たれ、その遺産とご自身の財産は合計3億円ほどにもなります。旦那様が亡くなられた際には生前対策などをしておらず、苦労された経験から当事務所にご依頼いただきました。
H様には息子様が一人おり、お孫様も二人おられますので、ご依頼前から非課税枠の中で贈与をしてこられましたが、やはりそれだけでは対策として十分ではない、と感じられたようです。
SOLUTION 当事務所による解決
当事務所がご提案したのは、現金を賃貸物件にして相続するプランです。不動産はその購入額よりも評価額が低くなり、賃貸用物件であればさらに低く見積もられます。土地であれば購入額の6割程度、建物であれば4割程度が課税の対象となるため、現金よりも大幅に相続税を抑えることができます。
相続人が複数いるケースでは「誰が不動産を引き継ぐのか」などトラブルにもつながりやすい方法ですが、今回相続人となるのは息子様一人ですから、そうした家族関係については考慮する必要がありません。純粋に息子様が賃貸経営に対して意欲をお持ちかどうか、ということが問題ですが、息子様も「現金で持っていても仕方がない」というお考えから当事務所のプランにご納得くださいました。
「収入が安定している単身者向けのアパート」というコンセプトのもと、当事務所の不動産コンサルタントと、提携不動産会社が綿密にプランを作成。都内有数のオフィス街から三駅の場所に、1億5,000万円で8戸のアパートを購入いたしました。
POINT 気をつけたいポイント
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現金を土地にして相続する際には、国税庁が定める「相続路線価」にもとづき課税対象額が定められます。目安として、自己利用の場合には購入額の8割ほど、賃貸物件の場合には購入額の6割ほどの評価額となります。
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建物の場合には、固定資産税評価額にもとづき相続税が決まります。自己利用の場合では購入額の6~7割、賃貸物件ではさらにそこから3割減額となりますので、4~5割の評価額となります。
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相続税対策として有効な賃貸物件ですが、空室や地価の下落などを防ぐため、その後の見通しをしっかり立てておく必要があります。額面だけにとらわれず、専門家と念入りに打ち合わせや調査を重ねながらプランを練っていきましょう。