首こりを解消させるには?悪化すると吐き気も伴う症状の改善策
日常的にスマートフォンやPCに触れる機会の多い現代人は、首こりを抱えていることも多いです。それらを使用することで眼精疲労に悩まされ、それが首こりに発展するということです。そもそも、そういった作業をする際は姿勢が悪くなって首に負担がかかってしまうということもあるでしょう。
ほかにも原因はさまざま考えられますが、首こりを放置すると頭痛や吐き気などを引き起こすこともあり、慢性化しないよう事前に対策することが重要です。当院での施術だけではなくセルフケアを行うことで、より改善が期待できるので参考にしてください。
首こりの原因
首こりは肩こりの一種といわれることもありますが、実は正確には違う可能性があります。肩こりは主に背中にある僧帽筋(そうぼうきん)という筋肉が凝り固まることで生じるとされており、この筋肉が肩甲骨~肩・首と広範囲に占めているため、たしかに同時に首こりを感じることもあるのですが、首こりだけを生じさせる筋肉も存在するのです。
頭蓋骨と首の骨をつなぐ後頭下筋群(こうとうかきんぐん)です。前述のように姿勢を悪くしたり、PCやスマートフォンを使いすぎて目が疲れてしまったりすると、この部分が凝り固まり、首こりを引き起こすと考えられています。後者の筋肉が原因の首こりは、頭痛や首の動きの悪さも伴うことがあります。
首こりセルフチェック
まず、首に違和感を覚えている方は、以下の項目からセルフチェックしてみましょう。生活習慣に関する質問から原因を見つけやすくし、状態に関する質問から症状をわかりやすくします。
生活習慣チェック
●首まわりが開いたファッションが多い
首に通っている血管はとても太く、全身への影響がかなり大きいといわれています。季節にもよりますが、あまりに連続して首元の開いた服を着ていると冷えてしまって血流が滞ることもあるかもしれません。
●枕の高さが合っていない
心身ともに休まるはずの睡眠時に高さの合わない枕を使っていると、身体に蓄積された疲労がリセットされないことも多いです。自然に寝返りを打つことのできない高さでは、首こり、肩こりが悪化することもあるでしょう。
●ハイヒールや厚底の靴を履くことが多い
ハイヒールや厚底の靴は不安定になりやすいので、脚だけではなく肩や首など上半身から余計な力が入ってしまい、筋肉が固まることもあります。お洒落することを我慢する必要はないですが、身体を休ませるためにも歩きやすいスニーカーなども取り入れて新たなファッションを楽しんでみてください。
状態チェック
日本整形外科学会と日本リハビリテーション医学会が発表した
「関節可動域表示ならびに測定法」
(1995, http://www.japanpt.or.jp/upload/jspt/obj/files/publiccomment/4_rom_20140612.pdf )
によると、頸部の参考可動域角度は60度です。もちろん60度まで回らなければ必ずしも首こりである、もしくは60度まで回ったら必ずしも肩こりではない、というわけではありませんが、目安のひとつとして参考にしてください。
- まず、壁に背中をぴったりとつけて立ち、壁から肩までの角度が垂直になるように正面に右手をまっすぐ伸ばします。
- その後、だいたい60度くらいになるまで腕を上げ、固定させます。このとき、壁から腕まで60度=首から腕までも60度なので、そのまま首を右に回し、鼻先がその角度を上回るかどうか確認してください。
- 右向きの角度の確認が終わったら、同じように左向きの角度も確認しましょう。
首こりを改善させるための日々のセルフケア
まず、デスクワークの方やPCをよく使う方は、その高さを調整しましょう。自分で高さ調節のできる安価なPC台もありますので、それを取り入れるか、椅子の高さやモニター画面の角度、デスクとの距離を調整するのもよいです。
集中するとどうしても無意識に前傾姿勢になってしまうこともあるので、長時間作業をしていて身体のどこにも負担がないかどうかを確認しながら自分に合った適切な位置と高さを見つけることが大事。とはいってもずっと同じ姿勢でいるだけでも身体の筋肉は凝り固まってしまうことがあるため、適宜立ち上がって肩を回すなど簡単なストレッチを行うことも推奨します。
スマートフォンを使用するときの姿勢にも気をつけましょう。PCよりも手軽に扱えるため、寝転びながら動画を観たり、電車の中で気づいたら猫背のまま操作したり、といったこともあるかと思います。
今やスマートフォンは日常に欠かせないものなので、使用時間を減らそうと思っても減らせない方が多いのではないでしょうか。無理せず、良くない姿勢のまま使用していたら都度直すといった癖をつけることの方が有効かもしれません。
また、PC、スマートフォン両方にいえることですが、眼精疲労も気にするようにしてください。集中していると瞬きも忘れて画面に夢中になってしまうということもあるかと思いますが、目の疲れは首こりだけでなくドライアイや視力低下に影響する可能性もあります。
やはり連続使用を避けるために1時間に1回、もしくは2時間に1回、小休憩を挟むようにしましょう。このとき、ホットタオルやアイマスクなどで目を休ませると、なお効果が期待できます。
首こりには目元だけでなく、首元を温めるのもいいでしょう。ファッション性も兼ねてマフラーやストール、スヌードなどを取り入れる、室内やバイク、自転車などの移動時にはネックウォーマーなど、より首の保温に特化したものを利用する、など。
また、入浴後や睡眠前にホットタオルを首の後ろにあてると、首こり改善だけでなく湯冷め防止や自然な睡眠導入の効果も期待できるため推奨します。磁気を使って首筋の血行にアプローチする商品も市販されているので、それを利用してみてもいいかもしれません。
睡眠時には首に負担のかからない枕を選ぶようにしましょう。オーダーメイドで自分に合った枕を作る方も増えてきていますが、まずはタオルをくるくると巻いて調節するなどして、どの高さが合っているのかきちんと把握することが大事です。ベッドと首のカーブの間の隙間がしっかり埋まるようにしましょう。
普段からこういった生活習慣の見直しをしておくと、さらに当院の施術効果が続く可能性があるので、まずは小さなことから取り入れてみてはいかがでしょうか。