日本は豊かな自然と四方を海に囲まれているという恵まれた環境から、肉・野菜・魚介類など、豊富な栄養素を含んだ食材を新鮮なまま手に入れることができます。
また先人たちは食材の「旬」というものを見極め、その調理法も研究し続けてきました。
そして現代にまで、食材の持つ栄養素を最大限に引き出す術を教え、伝え、広めています。
世界でも長寿の秘訣の健康食として注目を集めている日本食。
こちらではその特徴についてご紹介します。
皆様もバランスのとれた食事をして、いつまでも元気な毎日を送りませんか?
理想的な「一汁三菜」
日本食は主食・主菜・副菜・汁物にわかれ、健康に必要な栄養がしっかり摂れるバランスになっています。
「まごわやさしい」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
「ま」は豆類。
「ご」はごま。
「わ」わかめ・海藻類。
「や」は野菜。
「さ」は魚。
「し」しいたけなどのきのこ類。
「い」はイモ類を示し、健康な身体を作るたんぱく質やビタミンなどを多く含んでいます。
さらに上記の食材は肥満や血糖値の上昇などを抑え、生活習慣病の予防にも効果があります。日本人が肥満体系でないのも、日本食の栄養バランスに助けられていたからといえるでしょう。
また日本食の力は栄養バランスだけではありません。
日本食には他にもさまざまな特徴があります。
腸内環境を整える
味噌やしょう油に納豆など、日本独自の食材や調味料は発酵食品として広く愛されてきました。
とくに納豆などに含まれている乳酸菌は胃で消化されずに直接腸にまで届き、腸内環境を整えてくれる効果があります。
腸内を健康に保つことでビタミンの吸収率がアップし、免疫システムも向上するので、呼吸器系・消化器系に不調を感じる方にオススメです。
また発酵食品は日持ちするものも多いので、糠漬けなどご自宅で作り置きしておくのもいいですよ。
油が少なく低カロリー
日本料理では油を少ししか使用せず、食のメインとなる魚に含まれるDHAなどは悪玉コレステロールを減らしてくれる役割を持っています。お肉が中心であるアメリカなどの諸外国に比べ、日本人に肥満体系の人が少ないのはこのためです。肥満状態になってしまうと血圧の上昇・動脈硬化などを招き、最悪の場合脳梗塞や心筋梗塞などの症状を引き起こしてしまいます。日本食はその点をクリアしているため、とてもヘルシーで頼れる存在です。
健康意識の高さが日本食を生み出した
文明開化が始まる以前や戦前の日本には飢餓で苦しむ人たちが多くいました。そういった背景や日本人の特性である勤勉さという点もあわさって、日本人は健康に対して高い意識を持っています。
さらに終戦後に欧米の文化も取り入れたことで、戦前の食事では摂れなかった栄養分を補うことができ、日本食はさらなる発展を遂げました。
また一日三食などの規則性を重視したことも、結果として日本人の健康維持につながっていたと考えられます。
日本食の落とし穴
無形文化遺産にも登録されている日本食ですが、日本食だけ食べていれば健康でいられるかと言われると実はそうではありません。
日本食には摂り過ぎ・不足しがちになる栄養分があります。
それはずばり「塩分」と「カルシウム」です。
ここからは日本食に潜む落とし穴を、塩分とカルシウムの点から見ていきましょう。
塩分は摂り過ぎ?
しょう油や味噌、長期保存するために塩漬けにした漬物など、日本食と食塩は切っても切れない関係にあります。
今でこそ減塩のしょう油などが販売されるようになり、お店でも塩分表示などを行うなど意識を高めていますが、以前の日本食は塩分の摂り過ぎと言わざるを得ませんでした。
塩分を摂り過ぎてしまうと身体は余分な水分を溜め込み手足のむくみなどを引き起こし、高血圧の原因にもなります。さらに認知機能にもマイナスの影響を及ぼすという研究結果も出ています。
カルシウムは少ない
カルシウムは成長期に強い骨や歯を育てるための大切な栄養素。
しかしすべての食品に含まれているわけではなく、吸収率も高くはないため、意識して食材を選ぶことが必要になります。
たとえばカルシウムが多く含まれる食品として魚などが挙げられますが、特に多く含まれる骨の部分などは調理の過程で処理されてしまうため、カルシウムを十分に摂取できているとはかぎりません。
学校の給食メニューでは毎日牛乳が付くなど、カルシウムの摂取に気を遣っていますが、早ければ中学校から給食はなくなります。それにともない外食などが増えていくと、カルシウム不足に陥りやすくなります。
まとめ
飽食の時代、日本人は自分の好きなものを好きなだけ食べられる状態であると言えます。
そんな日常の中で、ずっと日本食というのは少し味気ないと感じるかもしれません。加えて毎日、朝・昼・晩に一汁三菜の食事をとることはなかなか難しいでしょう。
まずは昼だけ、夜だけという形でも構いません。皆様の生活の中に、「一汁三菜」「まごわやさしい」の食事を取り入れてみてください。
そして不足しているカルシウムを補うために、朝に1本、牛乳を飲むとよいでしょう。
自炊する時間がないという方は、ぜひ当店にお越しください。
当店ではしょう油などは減塩のものを使用し、味噌汁は具を多く入れることで汁気を減らすなどの工夫をほどこし、加工食品は使わずに自然の新鮮な食材を使用しています。
塩で味付けをするのではなく、自然の味を活かした健康志向の食事をご提供いたします。