法人の場合、まずは法人税の削減を考えましょう。法人税とは、法人の所得に対して課される税金を指します。

原則税率は23.2%ですが、中小法人の場合は年収800万円以下の所得金額に対しては19％の低い税率が適応されます。企業が払う税金のなかでも特に大きな割合を占めているため、上手に節税すれば高い効果が期待できます。

法人税の節税対策として、役員報酬を損金計上する施策が挙げられます。役員報酬は、定期同額給与といった一定の要件を満たすことで経費のように会社の利益から差し引けるため、損金として計上できます。

個人の場合は、扶養控除を検討しましょう。扶養控除とは取得控除の一種です。子どもや親などの、扶養控除対象の親族がいる場合に控除が受けられる制度です。控除額が多いほど納税額を抑えられます。ただし、扶養控除は下記の条件を満たさなければ受けることができません。

＜16歳以上である＞
16歳未満の方は扶養控除の対象外です。
平成22年度から、15歳以下の子どもには、子ども手当（児童手当）が実装されたため、手当を受給している変わりとして平成23年の法改正で16歳未満の扶養親族（年少扶養親族）は扶養控除の対象外となりました。

＜6親等内の血族・3親等内の姻族である＞
血族とは、納税者本人の親族のことです。一方、姻族とは、納税者本人の配偶者の親族を意味します。扶養と聞くと配偶者や下の世代を養う場合が多いかもしれませんが、親や祖父母などの上の世代も扶養控除の対象です。

＜合計所得金額が48万円以下である＞
合計所得税額が48万円以下であれば、扶養親族に含まれます。

＜同一生計である＞
同一生計とは、日常の生活の資を共にすることを指しますが、必ずしも同居しながら生活費を共有する必要はありません。

＜青色申告者の事業専従者給与を受けていない・白色申告者の事業専従者でない＞
扶養家族が青色申告者の事業専従者給与を受け取っている場合や、白色申告者の事業専従者の場合は、控除対象扶養親族に含まれません。親族に個人事業主の家政婦がいるといった場合は、よく確認しておきましょう。