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車を傷つけてしまった場合、自動車整備工場に持ち込んで板金塗装してもらうことが一般的です。しかし、そもそも板金塗装とはなにか、いまいちわからない方も多いでしょう。

そこで本記事では、自動車整備における板金塗装について解説します。どこに依頼すればいいのかをはじめ、修理費用の相場や期間まで触れています。

ぜひ参考にしてください。

自動車整備における板金塗装とは

自動車整備における板金塗装とは、文字通り「板金」と「塗装」の2つを合わせた作業を意味します。具体的には以下のとおりです。

板金:主に変形した車体を修理する作業
塗装:板金によって修理した箇所をコーティングする作業

それぞれ詳細を解説します。

板金

板金とは、ぶつけたりこすったりしたことで変形した車体を修理する作業のことです。外板パネルをハンマーでならす「ハンマリング」、へこみを表側から引っ張ることで形を調整する「引き出し作業」などがあります。

また、フレーム修正機で内板骨格を治したり、損傷が激しい外版パネルを交換したり、カバー範囲は多岐にわたります。

塗装

塗装とは、板金によって修理した箇所を目立たなくさせる作業です。周囲と色合いを同調させるためにコーティング剤を塗り、一見すると損傷したことがわからないレベルを目指します。

板金塗装は自動車整備工場に依頼したほうがいい?

板金塗装を依頼できる業者は大きく分けて3種類あります。具体的には以下のとおりです。

・自動車整備工場や板金屋:自動車整備の専門業者なのでクオリティに期待できる
・ディーラー:メーカー純正品を使用してくれるが、修理は外注
・カー用品店:全国にチェーン店があり便利だが、修理を外注

自動車整備工場には、自動車整備の専門家が集まっており、高いクオリティでの仕上がりを期待できます。ディーラーを通さずに依頼すれば、仲介手数料もかかりません。ただ、信頼できる業者選びが難しい点がデメリットです。

ディーラーに依頼した場合は、メーカー純正品を使用してくれるといったメリットがあります。しかし、板金塗装を外注している可能性もあるので、修理費用がかさみやすいです。

全国にチェーン店があるカー用品店なら、場所に縛られるデメリットを軽減できます。ただ、板金塗装を内製化しているケースは珍しいです。基本的には修理を外注しています。

3つの業者ごとにメリット・デメリットがあります。しかし、板金塗装は自分の命を預ける車の修理です。小さなキズといえど、やはり自動車整備工場のような専門業者に依頼したほうがいいでしょう。

自動車整備工場と板金屋の違い

自動車整備工場のカバーエリアは、エンジンやライトをはじめとした電子制御系が中心です。車の内部に関連した修理・点検に対応してくれます。自動車整備士と名乗るためには国家資格を取得する必要がある点もポイントです。

一方、板金屋は車の外側に対する修理を得意としています。ボンネットやバンパー、トランクやルーフなどのキズ・へこみに対応可能です。自動車整備士のような国家資格も必要ありません。

両者を比較した場合、車体のキズやへこみは板金屋の守備範囲といえます。ただ、技術力の高い板金屋と信頼関係を築いている自動車整備工場が多く、そちらに修理を依頼しても問題ありません。むしろ、自動車整備工場に車を持ち込んだことで、自分では気づかなかった損傷箇所を発見できるでしょう。

自動車整備工場に板金塗装を依頼した際の流れ

自動車整備工場に板金塗装を依頼した場合、以下のような流れで進みます。

1、損傷箇所のチェック
2、板金屋に外注(ケースバイケース)
3、キズの研磨作業
4、下地の塗布と乾燥
5、磨き
6、洗車

また、修理にかかる期間は損傷部位の種類によって変化します。自動車整備工場ごとにフローも異なるので、詳細は問い合わせたほうがいいでしょう。

自動車整備工場に板金塗装を依頼するタイミング

ここでは、自動車整備士に板金塗装を依頼するタイミングをご紹介します。具体的には以下のとおりです。

・車に小さなキズができた
・車にへこみができた
・塗装がはがれてきた
・車のサビつきが広がってきた

それぞれ詳細を解説します。

車に小さなキズができた

車に乗っていると、砂利や飛び石などで車体が傷つくことは避けられません。また、引っかきキズやこすりキズなど、細かな損傷箇所は意外とできやすいです。

このような場合、早いタイミングで自動車整備工場に修理を依頼しましょう。車の塗料は薄く塗られているので、目立たないようなキズだったとしても、内部の金属が空気や雨にさらされることでサビつきの原因になります。

車にへこみができた

へこみに関しても、放置せずに修理することをおすすめします。損傷箇所の具合にかかわらず、へこみがあると塗料が剥げ落ちやすいです。前述したとおり、サビつきや劣化につながる可能性があります。

塗装がはがれてきた

車体にキズやへこみがなかったとしても、年月とともに塗装やコーティングは徐々にはがれ、薄くなっていきます。結果的にサビつきや劣化を引き起こしてしまうので、修理したほうが賢明でしょう。

車のサビつきが広がってきた

車のサビつきが広がってきた場合も修理を依頼するタイミングです。サビつきをそのままにしておくと、金属の腐食が拡大し、最終的に穴が開いてしまいます。

板金塗装の相場と期間

板金塗装の相場と期間は、修理する部品や業者ごとに差があります。また、キズやへこみの具合によっても異なるでしょう。おおよその目安は以下のとおり。

【相場】
・ドアミラー:約8千円~
・バンパー:約2万円~
・ドア:約3万円~
・フェンダー:約3万円~
・ボンネット:約5万円~

【期間】
・ドアミラー:約1~3日
・バンパー:約2~4日
・ドア:約5~7日
・フェンダー:約3~5日
・ボンネット:約4~7日

また、ソリッド塗装なのかメタリック塗装なのかでも相場が変わりますし、具体的な費用は自動車整備工場で見積もりをしてもらう必要があるでしょう。

パール系の色は高くなりやすい

車体の色によって修理費用が変化することはありませんが、パール系の板金塗装は話が違います。塗装の手間が増えるからです。

通常、車体を塗装する際は「カラー塗装」と「クリア塗装」を行います。自動車のボディにカラー塗装を施し、艶出しなどが必要であればクリア塗装を施す流れです。

しかし、パール系の色の場合、カラー塗装とクリア塗装の間に「パール塗装」の工程が入ります。一般的な塗装が2層構造なのに対して、パール系の塗装は3層構造になることから、手間がかかるため工賃が増える仕組みです。

板金塗装を自動車整備工場に依頼せずにDIYできる?

本当に小さくて浅いキズであれば、DIYで修理することができます。市販されているコンパウンドで損傷箇所を研磨したあと、塗装する周辺をマスキングテープで保護しましょう。車体と同じ色のカラースプレー、もしくはスプレーガンを用意し、塗料を吹き付けてからクリアスプレーなどを施せば完了です。

しかし、目立つような大きなキズ・へこみの場合、素人では対処できない可能性が高いです。DIYにこだわったせいで、損傷の具合を余計にひどくさせてしまうこともあります。

結論、本当に小さなキズ以外はDIYせず、自動車整備工場に依頼したほうがいいでしょう。

板金塗装は保険が適用される?

車両保険に加入していれば、車が破損した際も修理代を保険金でまかなえます。これは板金塗装にもあてはまり、補償内容の範囲内であれば、保険で修理代をカバー可能です。

しかし、車両保険を適用させた場合、翌年度から等級が下がるというデメリットもあります。保険料が高くなることで、板金塗装の費用によっては、実費で支払ったほうがお得なケースもあるでしょう。

自動車整備工場で板金塗装を依頼する際はご注意ください。

自動車整備工場と板金塗装のまとめ

今回は、自動車整備工場と板金塗装について解説しました。押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

・キズやへこみを修理して目立たなくするのが板金塗装
・自動車整備工場に依頼したほうが安全
・小さなキズやへこみも放置しない
・板金塗装の費用や相場は要問い合わせ
・よほどのことがない限りDIYはおすすめしない

車は人の命を預かる乗り物です。小さなキズが大きなトラブルに発展する可能性もあります。損傷に気づいたタイミングで、自動車整備工場に修理を依頼することをおすすめします。

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