LOADING

CONTENTS コンテンツ

エンジンオイルは、自動車において定期点検が重要とされる箇所のひとつです。一方で、理想の交換頻度は走行距離が3,000km〜5,000kmに達するたび、もしくは3ヶ月〜6ヶ月ごとと多くなく、点検のためだけに頻繁にカーディーラーやカー用品店に行くのが面倒だという方もいるかもしれません。

そこで本稿では、エンジンオイル点検や交換のメリットを紹介したうえで、セルフ点検のやり方を解説します。

エンジンオイルとは

エンジンオイルとは、エンジン内部を循環している潤滑油です。

走行時にエンジン下部のオイルパンから汲み上げられて各パーツに供給されます。エンジンの稼働に直接的な影響を与えているので、エンジンオイルなしでエンジンは動きません。
また、エンジンオイルの状態によってエンジンの性能は大きく左右されます。

エンジンオイル点検・交換のメリット

エンジンが自動車における心臓なら、その内部を循環するエンジンオイルは血液です。自動車の中枢を担うエンジンオイルを良好な状態に保つことは、自動車にとって少なくないメリットをもたらします。

エンジンを長持ちさせることができる

エンジンオイルは潤滑油の役割を果たし、エンジン内の部品同士がこすれ合うことによる摩耗や、それに伴う部品の劣化を防ぎます。定期点検によってエンジンオイルを良好な状態に保つことで、エンジンが故障するリスクが減り、長持ちさせることができるでしょう。

エンジンのオーバーヒートを防げる

自動車が稼働する際、燃料を燃やしているエンジン内部はかなりの高温になります。しかし循環しているエンジンオイルが、熱を吸収してオイルパンから放熱してくれるのです。一方、劣化しているエンジンオイルは熱をうまく吸収できません。冷却性能が落ちた結果、エンジンのオーバーヒートを招いてしまう可能性があります。

エンジン本来の性能を発揮できる

エンジン内にある「ピストン」と「シリンダー」のすき間を密封することも、エンジンオイルの重要な役割です。定期的な交換によってエンジンオイルの粘度を保つことで、燃焼によって得られたエネルギーを逃さず使うことができ、エンジン本来の性能を引き出せるでしょう。

エンジン内部に汚れが溜まるのを防げる

エンジンオイルは、エンジン内部に発生する「スラッジ」という汚れを吸収したり分散させたりすることによって、汚れが貯まるのを防ぎ、エンジンの性能を維持します。ただし、エンジンオイルが吸収できる汚れの量にも限界があるため、定期的な交換によって洗浄機能を維持することが求められます。

エンジン内部のサビを防げる

高温になるエンジン内部は、外気との気温差で結露が発生しやすい環境です。そのため、金属部品に度重なる結露がサビをもたらし、エンジンの動きを鈍らせてしまうことも珍しくありません。

エンジンオイルは、サビの原因である酸素を油の膜によってはね除けます。劣化すると膜が薄くなってしまうため、サビ防止効果を維持するためには定期的なオイル交換が不可欠です。

エンジンオイル点検のやり方

自家用車を持ちはじめたばかりの方や点検をいつもプロに任せている方のなかには、エンジンオイル点検と聞いて身構えてしまうという方もいるでしょう。しかしエンジンオイル点検は、誰にとっても決して難しくありません。

エンジンオイル点検に必要なもの

自分でエンジンオイルを点検する際に必要なものは、「キッチンペーパー」と「ゴム手袋」の2つです。

キッチンペーパーは、エンジンオイルの汚れをチェックするために使用します。オイルの色さえしっかりと確認できれば、余った布やティッシュペーパーでも代用可能です。

ゴム手袋は、手にオイルがつくのを防ぐために使用します。手についてしまったオイルは洗い流すのも一苦労です。ゴム手袋を装着することで、オイルが手につくのを気にせず点検に臨むことができるでしょう。なお、軍手は内側までオイルが染みこんでしまう可能性があるため、ゴム手袋の代用品としては適していません。

エンジンオイル点検の手順

機械やオイルを扱うエンジンオイルの点検は、手順を誤らないように注意が必要です。実際の流れに沿って、自分でエンジンオイルを点検する場合の手順を解説していきます。

1.エンジンが止まっていることを確認する
点検をはじめる前には、エンジンが止まっていることを必ず確認してください。また、高温状態のエンジンルームを触るとやけどしてしまう危険性があります。エンジンオイルの点検は、エンジンを切ったあと十分に時間が経ってから行いましょう。

2.ボンネットを開ける
エンジンオイルの点検はボンネットから行います。まず、車内にあるレバーを引っ張ってボンネットを開けます。ゴム手袋を装着したら、車の正面に回ってボンネット中央のレバーを押しながら(または引きながら)大きく開いてください。

3.オイルレベルゲージを引き抜く
ボンネット内には、オレンジ色や黄色や白色をしたリング状の「オイルレベルゲージ」があります。エンジンオイル点検はここから行うので、リング部分をつまんでオイルレベルゲージをすべて引き出します。

4.オイルの汚れ具合をチェックする
オイルレベルゲージに付着しているオイルを、用意していたキッチンペーパーでしっかりとふき取ります。ふき取ったら、キッチンペーパーに付着したオイルの色を確認してください。

透明感のある黄色やオレンジ色であればオイルはまだ新鮮な状態です。やや茶色がかっている程度でもまだ問題ないでしょう。

こげ茶色や黒っぽい色をしている場合や、異物が混ざってざらつく場合は注意が必要です。エンジンオイルが劣化している可能性があり、走行を続けた場合に何らかの不具合が出てくるかもしれません。オイルを交換するか、判断が不安な場合はプロに相談しましょう。

5.オイルの残量をチェックする
汚れ具合のチェックが終わったら、一度オイルレベルゲージを元の位置に戻してください。このとき、しっかりと奥まで差し込むことが重要です。十分に差し込んだことが確認できたら、再びオイルレベルゲージをすべて引き出します。

エンジンオイルの残量は、オイルレベルゲージの先端についている「2つの穴(上限・下限)」もしくは「LやHの印(Low・High)」から確認します。オイルが2つの印の間に付着している場合は適切な量です。少なかった場合はオイルの補給が必要な状態です。

ここまで確認できたら、オイルレベルゲージやボンネットを元の状態に戻して、エンジンオイルの点検は完了です。

エンジンオイルの交換方法

エンジンオイル点検で異常がみつかったら、オイルの交換が必要です。エンジンオイルの交換方法は大きく分けて4つあります。

自分で交換

エンジンオイルを自分で交換する場合には、専用の道具を用意する必要があります。点検の際にも使ったキッチンペーパーとゴム手袋は必需品ですし、汚れたオイルを入れる廃油ボックスや新しいオイルを注ぐためのオイルジョッキ、ジャッキアップ用品、レンチといった多様な道具が必要です。

また、正しい手順で行わなければ故障や事故につながってしまう可能性もあります。自分でエンジンオイルを交換する場合には、取り掛かる前の入念な下調べが不可欠です。

自分で交換すれば、道具を揃えるのに初期費用がかかるものの工賃はかからないため、毎回の交換費用は抑えられます。そのため、今後も自分でエンジンオイルを交換していこうと考えている方におすすめの方法です。

ガソリンスタンドで交換

ガソリンスタンドでのエンジンオイル交換は、手軽さが特徴です。給油のついでに点検・交換を頼むことができるので、前もって予約するといった煩雑さがありません。料金が比較的安いのも特徴です。

一方で、オイルの種類を自由に選べない可能性があります。自社オイルしか用意されていない場合もあるので、扱っているオイルの種類や性能はしっかりと確認しましょう。

また、スタッフはオイル交換だけが仕事ではないため、ガソリンスタンドが混雑してスタッフが忙しくなると、交換作業に時間がかかってしまう可能性があります。

カー用品店で交換

エンジンオイルの交換はカー用品店でも可能です。整備士による点検が受けられるうえ、メンテナンスの会員になると工賃が無料になるところも多く、比較的リーズナブルな価格で交換できます。

最大の特徴は、エンジンオイルの選択肢が広いということです。ガソリンスタンドやカーディーラーでありがちなオイルブランドの縛りがなく、豊富な選択肢のなかから選ぶことができます。

カーディーラーで交換

カーディーラーは自社ブランドの車に対して豊富な知識があるため、エンジンオイルの交換も安心して任せられるでしょう。カーディーラーや車種によって工賃に差はありますが、平均するとカー用品店やガソリンスタンドよりやや高い傾向にあります。

また、エンジンオイルの種類は自動車メーカー指定のものに限られています。それ以外のブランドのオイルを求めている方には窮屈に感じられてしまうかもしれません。

迷ったときはプロに任せる

エンジンオイルの点検は自分でも可能です。内容は決して難しいものではなく、自宅での気軽な点検を可能にしてくれるでしょう。

ただし、異常がみつかった場合にどう対応するのかも考えておく必要があります。エンジンオイルの交換はプロに任せたいという場合あれば、点検の段階からカーディーラーやカー用品店に任せたほうがスムーズかもしれません。プロに点検してもらえば、オイル交換の必要があるかどうかについても的確なアドバイスがもらえるでしょう。

いざというときは無理せずプロに頼るのが、最も安心かつ安全な選択です。

CONTACT お問い合わせ