不動産を売却するにあたって、必要書類はたくさんあります。しかもそれぞれ入手できるタイミングも必要になるタイミングも異なるため、計画的に準備しなければいけません。書類提示が求められる時期は具体的に、販売に向けた仲介会社との媒介契約時・契約後(販売中)・買主との売買契約時・物件の引き渡し時の4つに分類できます。
売却に必要な書類
不動産を売却するには、まず仲介会社に依頼をし、条件を決めて販売告知を行い、買主が見つかり次第、手続きに進むという手順を踏む必要があります。相手がいて初めて成り立つ契約なので、当然ながら売主側が事前にスケジュールを決めて動けるものではありません。いつ契約に結びつくか予想できないので、必要書類はできる限り早めに集めておくとスムーズでしょう。
媒介契約時・契約後(販売中)・売買契約時・引き渡し時の4つの時期順に必要になる書類について説明します。
媒介契約時・契約後(販売中)・売買契約時・引き渡し時の4つの時期順に必要になる書類について説明します。
登記済権利証・登記識別情報
媒介契約時・売買契約時・引き渡し時に必要になるのが登記済権利証です。「権利証」と略されることが多いので、その名称の方が伝わりやすいかもしれません。所有権取得の登記が完了したときに法務局から発行される書類のことを指しますが、2005年3月以降の法改正後の契約の場合は登記識別情報が付与されている場合があります。登記名義人に12桁の符号が記された通知書が送付されるため、書面を提示する必要がありません。
書類、符号が求められるのは、各契約時に売主が本当にその不動産の所有者かどうかを確認するため。そして、実際に売却し引き渡す際に所有者を変更する目的で、移転登記を代行する司法書士に渡す必要があります。
書類、符号が求められるのは、各契約時に売主が本当にその不動産の所有者かどうかを確認するため。そして、実際に売却し引き渡す際に所有者を変更する目的で、移転登記を代行する司法書士に渡す必要があります。
身分証明書
身分証明書も媒介契約時・売買契約時・引き渡し時に必要になります。媒介契約時には不動産会社に、売買契約時には買主に、引き渡し時には移転登記を代行する司法書士に本人確認できる書類として、運転免許証やマイナンバーカードなどを提示するようにしましょう。
間取図
契約のために絶対的に必要というわけではありませんが、販売活動するにあたってどのような間取なのかわからなければ購入希望者に不動産の魅力が伝わりにくいので、できれば媒介契約時に用意しておくとよいでしょう。一戸建ての場合は土地の形状がわかる図面もあった方がよいです。
建築確認済証・検査済証(一戸建ての場合)
建築確認済証は、工事を行う前に、その建築が法律に適合していることを証明する書類です。そして検査済証は、工事中、もしくは完了後に行われる検査によって改めて法律に適合していることを証明する書類のこと。
どちらも媒介契約時に仲介会社から提示を求められ、これらがあるかどうかによって買い手のつきやすさ、売却価格などが変動します。
どちらも媒介契約時に仲介会社から提示を求められ、これらがあるかどうかによって買い手のつきやすさ、売却価格などが変動します。
地積測量図・境界確認書(土地の場合)
媒介契約時から引き渡し時まで必要に応じて提示することになります。というのも、所有している土地の面積や隣家、道路との境界線を示した書類なので、売却時だけでなく買主が購入した後も隣地トラブルを避けるために欠かせないのです。
とはいえ、代々引き継いで所有している場合など、そもそも測量が実施されていなかったということもあるでしょう。もちろん改めて売却前に測量することは可能ですが、その場合は書類がそろうまでに時間を要することもあるので、先に準備をしておくか、もしくは販売活動を開始させてから並行して行うことになります。
とはいえ、代々引き継いで所有している場合など、そもそも測量が実施されていなかったということもあるでしょう。もちろん改めて売却前に測量することは可能ですが、その場合は書類がそろうまでに時間を要することもあるので、先に準備をしておくか、もしくは販売活動を開始させてから並行して行うことになります。
管理・利用規約(マンションの場合)
マンションについては共有部分の使い方など管理・利用規約が書面にまとめられているものなので、実際のその場での暮らしがどういったものになるのか、購入希望者の思い描くライフスタイルが実現できるのかどうか判断できるように、媒介契約を結んだら早めに提示するようにしましょう。もし手元にない場合はマンションの管理会社が保有しているはずなので、仲介会社による手配も可能です。
固定資産税納税・都市計画税納税通知書
日本の場合、不動産を所有している人は固定資産税と都市計画税を支払う義務があり、納税通知書にはこれらを納めていることの証明と、その金額が記載されています。毎年1月1日時点での所有者に向けて春ごろに送付されますが、一般的に不動産を売買するとき、引き渡し時期に応じて売主と買主で按分してその税金を納めるのが基本とされています。
そのため、通常はそれぞれの負担額を算出してもらうために仲介会社への提示が必要です。仲介会社は額面を重要事項説明書に記載しなければいけないため、媒介契約を結んだらなるべく早めに提示するのがよいでしょう。
そのため、通常はそれぞれの負担額を算出してもらうために仲介会社への提示が必要です。仲介会社は額面を重要事項説明書に記載しなければいけないため、媒介契約を結んだらなるべく早めに提示するのがよいでしょう。
実印と印鑑証明書
実印と印鑑証明書は売買契約時と引き渡し時に必要です。売買契約の際はその契約書に、引き渡しの際は登記書類に実印を押し、その印鑑が役所に登録されているもので間違いないことを証明するために、併せて印鑑証明書の提示も求められます。
売買契約時には買主に、引き渡し時には司法書士に提示しなければいけませんが、印鑑証明書は発行から3か月間で有効期限が切れてしまうので注意しましょう。
売買契約時には買主に、引き渡し時には司法書士に提示しなければいけませんが、印鑑証明書は発行から3か月間で有効期限が切れてしまうので注意しましょう。
準備するタイミングを見誤らないように注意!
不動産売却には多くの書類が必要です。必須ではないですが今回挙げたもの以外にも、たとえば買主の安心材料になるような地盤調査報告書、耐震診断報告書などもできれば用意した方がいいでしょうし、ほかにもさまざまなものが考えられます。
いずれも早めに準備しておいた方がいいですが、印鑑証明書のように書類によっては有効期限が定められているものもあるため、そういった条件をきちんと踏まえた上で手配するようにしましょう。スムーズな売買手続きができるよう、事前にしっかり確認、管理しておくことが大事です。
いずれも早めに準備しておいた方がいいですが、印鑑証明書のように書類によっては有効期限が定められているものもあるため、そういった条件をきちんと踏まえた上で手配するようにしましょう。スムーズな売買手続きができるよう、事前にしっかり確認、管理しておくことが大事です。