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薬の飲み方は、服用、服薬、投薬、与薬、頓服といった表記によって変わります。それぞれなんとなく意味はわかるものの、具体的にどのような違いがあるのかしっかり理解できていない人も多いのではないでしょうか。

薬の効果を十分に発揮させるためには、決められた飲み方を守って飲むことが大切です。服用方法を誤れば、薬の効果が弱まってしまったり、予期せぬ不調を招いてしまったりする恐れもあります。自分の身体を守るためにも、それぞれの意味の違いを把握しておきましょう。

本記事では薬の種類と飲み方の違いについて解説していきます。

薬の表記による飲み方の違い

薬の飲み方は表記によって異なるため、間違った飲み方をしないようにそれぞれの意味と違いを把握しておくと安心でしょう。表記の種類は以下のとおりです。

・服用
・服薬
・投薬
・与薬
・頓服

薬は飲む時間や決められた用法通りにしないと効果が大きく変わることがあります。飲み方に具体的な指示がある場合は、用法・用量を正しく守るようにしましょう。

服用は薬を「飲む」こと

服用は薬を飲む行動のことを指しています。「1週間、服用してください」や「服用薬」などのように使用されることが多いです。

服薬は薬を「正しく飲む」こと

服薬には薬を正しく飲むという意味があります。

投薬は医療従事者が患者に薬を「渡す」こと

投薬とは、処方せんに記載された薬を、看護師などの医療従事者が患者に渡すことを指しています。手渡すだけなの?と不安に思う方もいるかもしれませんが、その薬の効果や副作用の解説、併用している薬の確認など、実際に患者と対面して服薬指導を行ったうえで渡すことがほとんどです。

与薬は医療従事者が患者に薬を「与える」こと

与薬とは、医師の指示のもと看護師が行うことが多い診療補助のひとつです。病気の程度やその症状に合わせて、医療従事者が直接患者に薬を与えることを指します。目的に合った効果が得られているか、また副作用がないかをしっかり経過観察しながら、適切に与薬しなければなりません。

頓服は薬を「特定の状態になったときに飲む」こと

頓服とは、朝・昼・夜や、朝食前など決まったタイミングではなく、発作時や症状のひどいときに薬を飲む行為を指します。薬によっては1日何回まで飲んでよいか、どの程度間隔をあければよいのかなど使用方法が異なるので、薬剤師に相談しながら服用しましょう。

服用方法で異なる薬の種類

薬は、その服用方法によって呼び方が異なります。

・内服薬(口から飲む薬)
・外用薬(皮膚や粘膜、目などに直接使用する薬)

それぞれ説明していきます。

内服薬の特徴と剤形について

錠剤やカプセル、粉薬、液剤など、口から摂取する薬が内服薬です。なかにはかみ砕いて使用する薬もあるので、医療従事者の指示に従いつつ服用しましょう。


・錠剤
・カプセル剤
・散剤・顆粒剤
・内服液剤・シロップ剤

同じ成分でも別の剤形に変更できる場合があります。剤形によっては子どもや高齢者の服用が難しくなる場合もあるため、事前に薬剤師に相談しましょう。

内服薬の服用方法は、水もしくはぬるま湯で服用すると効率的に吸収できるように作られています。ジュースやコーヒーなどで服用すると、吸収されにくくなったり、飲み物に含まれる成分と反応を起こしてしまったりして、正常な効果が発揮されない可能性があります。思わぬ副作用が出る可能性もあるので避けるようにしましょう。


・食前前(食事の直前)
・食前(食事前30分以内)
・食直前(食事の直前)
・食後(食事の直後)
・食後(食事後30分以内)
・食間(食事から2時間程度あけた食事と食事の間)
・起床時(起床後すぐ)
・就寝前(就寝前30分程度)
・頓服(発作時や症状のひどいとき)

外用薬の特徴と剤形について

外用薬は、皮膚や、眼、鼻など直接人体に使用する薬です。誤って口にしないよう注意しましょう。


外用薬は使用する部位によって剤形が異なります。主な種類は以下のとおりです。

・軟膏・クリーム剤・外用液剤
・点眼剤
・点鼻剤
・坐剤
・貼付剤

外用薬に関しても、症状に対して適切な使用法をしっかり理解することが大切です。不安な場合は薬剤師に相談しましょう。

残った薬を服用・使用しても大丈夫?

病院で処方されたものの使いきることができず、自宅に残ってしまった薬を「残薬」といいます。残った薬を使ってよいのか悩む方もいると思いますが、薬には使用期限があるため、自己判断で使用することは避けましょう。

もし、残薬の処理に困ったときは、かかりつけの薬局に相談しましょう。分別・廃棄してくれるケースもあります。

また、処方された薬を第三者に譲渡・売却すると、薬機法違反に当たるため、絶対に行わないようにしてください。

薬は薬剤師の指示に従って正しく扱おう

薬は自身の健康を守るために役立ちますが、使い方を誤ってしまうと、逆に体調を崩してしまったり重篤な副作用を引き起こしてしまったりするなどの危険もあります。

薬局では、薬剤師が薬の取り扱いを案内しているので、なにかわからないことや不安に思うことがあれば、気軽に相談するようにしましょう。

またアレルギー反応がおきてしまうこともあるので、お薬手帳を活用して、過去にどんな薬を使っていたかを記録として残しておくことも大切です。

薬の効果を最大限に活かすために、正しい使い方で服用しましょう。